【書籍紹介/小説】大江健三郎「個人的な体験」
本日は、変わって小説のご紹介です。最近小説はあまり読みませんでしたが、育休中で時間もあるので、積極的に読んでいこうと思っています。
今日は、私が現状一番おすすめしたい小説をご紹介させていただきます。
大江健三郎「個人的な体験」
個人的な体験 (新潮文庫) | 大江 健三郎 |本 | 通販 | Amazon
あらゆる方におすすめしたく、また、感想を伺ってみたいと思う小説です。
私が、就労支援系の企業に就職するときに友人から紹介されて読んだ本ですが、いわゆる障害者問題を扱うというより、障害児の赤ちゃんが生まれた27歳の男性の葛藤を通じて、エゴに囚われた若者の成長がテーマと感じました。
下記はネタバレになりますので、興味を持たれた方は、
是非小説の方を読まれてください。
損はされないと思います。
(以下ネタバレ含みます)
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主人公は、若干アル中で、妻の父に紹介してもらった予備校講師をしつつ、俺はこんなもんじゃない、アフリカに行きたいなどという夢をもっているところ、脳ヘルニアの赤ちゃんが生まれます。人生の重荷になる赤ちゃんは数日で死んでほしいと思い、医者にミルクを薄くしてくれとか頼んだりするものの、赤ちゃんは死なず、結局不倫相手の知り合いの医者に安楽死の手伝いをさせようとします。 しかし、結局最後のところで思いとどまり、赤ちゃんに手術を受けさせ、赤ちゃん、妻や妻の両親と一緒に生きていくことにして、ハッピーエンドとなりました。
自分のエゴや欺瞞と向き合えるインパクトのある小説でした。
さすがノーベル賞…。
ちなみに恥ずかしながら、大江健三郎さんが、辺野古関連の運動に参加されていることを最近知りました。岩波書店と共同で戦った関連裁判もあるようです。
書籍紹介ではないですが、近々まとめようとおもいます。