【書籍紹介】橘玲「幸福の『資本論』」
突然ですが岡田斗司夫さんが好きで、彼の動画で紹介していたので、
興味を持って購入した本です。
自己啓発本かと思って軽く読み始めたのですが、
「ちょっと一般化しすぎでは…」と思うところはありつつも、
人生の「幸せ」というものを全体的に俯瞰できるという点で、1日かけて読んでよかったと思いました。
この本では、幸福とは以下の3つの資本から構成されるとしています。
①金融資本:そのまま。貯金や株式など。
②人的資本:稼ぐ能力
③社会資本:家族、友達や知人関係など。貨幣関係で繋がっている人も含む
ネタバレから言ってしまうと、著者おすすめの幸せの形は、
①金融資本:「生涯」(老後を短くする)共働き
②人的資本:好きなことに全力投球
③社会資本:家族、大事な友人 と お金だけの広く浅い関係 に分ける
自分にとっては②人的資本についての記述が一番参考になりました。
(③社会資本がいかに脆いかという話も面白かったですが苦笑)
現代人にとって、②人的資本=稼ぐ能力においては、
収益を得ることだけでなくて、
「自己実現」が必要です(←先進国ならではの病気みたいなものかもしれません)。
そして自己実現をどう実現するか考えるときに、筆者は仕事を3種類に分けます
□クリエイティブクラス
A 月並みの国 弁護士、医師など(顧客数が限られるから拡大限られる)
B 果ての国 コンテンツ産業など
□マックジョブ マニュアル仕事(これで自己実現できる人もいるがやりがい搾取される恐れ)
で、要は自己実現するために、B 「果ての国」を目指す必要があると。
そして、そのためには下記が必要です。
①好きなことに人的資本の全てを投下する
②好きなことをマネタイズするニッチを見つける
③官僚化した組織との取引から収益を得る
(最近のITベンチャーとか社会問題解決をビジョンに掲げる上場企業は、国や地方公共団体と仲良くなろうとしていることからもうなづけます…)
ちなみに、会社員は35歳までの若手のうちは良いですが、40半ばになると再就職も難しくなります。
定年までの20年も会社にしがみつく羽目になってしまいます。
(ちなみに日本人は自分の会社を嫌う傾向がアメリカなどに比べて強いらしい)
ですから、35歳くらいまでに自分のニッチを見つけなければならないのです。
私は…ギリ30代ですので、大急ぎで自分のニッチを見つけなければ…。
どうやってニッチを見つけるのかというと、子供の時に好きだったことを思い出すそうです。(この本も最後の最後で自己啓発本になってしまいました…)
ともあれ、橘玲氏の本をしっかり読んだのは初めてでしたが、
とても面白かったので続けて読もうと思います。