【書籍紹介】「『本当の自分』がわかる心理学」
本日ご紹介したいのは、ドイツの女性心理学者が書かれた
「『本当の自分』がわかる心理学」
という、いわゆる「インナーチャイルド」の対処法について、素人にも分かりやすく丁寧に書かれている書籍です。
「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある: シュテファニー・シュタール, 繁田 香織 + 配送料無料
特に
・人の目が気になってしまう
・人と比べて自分がみじめに思える、あるいは、優越感に浸ってしまう
・自分が何がやりたいのかや、自分の本心がわからない
・仕事を転々としてしまう
といった悩みを持った方(ほぼ全員ではないかと思いますが…)は、その悩みが一気に解決…とはいわないまでも、解決に向けた正攻法が見つかるのではと思います。
そもそも「インナーチャイルドってなんぞや?」という方もいらっしゃるかと思いますが、心理学の正式な用語ではないそうですが、「内にいる子ども」などと訳し、要は子どもの頃に身に着けた思考パターンや習慣といったものを指します。ポジティブなパターン・習慣の方もいるかもしれませんが、一般的には「親の期待に応えなければならない」などネガティブな思考パターン(といっても努力や成果にもつながることもあるので、完全にネガティブとも言えない。「悩み」とは区別する必要がある)を指すことが多いように思います。ちなみに、大人側に悪意があったか否かは関係なく、自分が周囲の大人に依存せざるをえないという状況においては、何かしら扶養者の機嫌をとるために自己を抑制したり、その期待に応えようとする戦略をとるのは当然かと思いますが、大人になってもそうした習慣から抜け出せず、私生活や仕事など日常生活に支障をきたすことがあるのです。
かくいう私は、若かりし日にスピ系のインナーチャイルドのコーチングに100万円近く投資してしまったのですが(もちろんそのすべてが無駄だったとはいいません^^;)、この本をちゃんとやれば2000円以下で自己解決できるだろうと思われる秀逸本かと思います。
その理由は、
①ワークが非常にシンプル
②対処法が詳細で具体的
であることです。
①ワークが非常にシンプル
啓発本や心理学系の本は、内省のための質問やワークが異常に多くて、途中で断念したり、ざっと読むだけで終わって身にならないことがあると思うのですが、この本のワークは大事なものは2つだけなので、途中であきらめることなく実践できると思います。
2つの大事なワークとは、非常にざっくりいうと自分のインナーチャイルドである
「影子」
と
「日向子」
を認識するというものです。字面の通り、「影子」は傷つけられて防衛本能が高まりすぎたせいで、今問題を引き起こす元凶となっているチャイルドであり、「日向子」は大事にされ楽観的なチャイルドであり、悩みを解決する鍵となります。
この自分の中の二人のチャイルドを、
A子どもの頃に自分に影響を与えた大人の性格、口癖、関係性
B上記が自分に与えた信念(ex.「期待に応えなければ価値がない」)
C上記の信念が発動しているときの感情
をそれぞれ書き出すことで見える化していきます。
たとえば、私の影子は…
A 祖母:過保護で主体性無視、人の感情をないがしろにする、「勉強しないとお父さんみたいに卑しい仕事(営業( ´∀` ))にしかつけなくなるよ」、祖父を毎日罵倒
B 「私は祖母の期待に応えなければならない」「不快でも祖母に逆らってはいけない」「私は自分では決められない、できない」「私の人生はつまらない」「男は無能」( ´∀` )
C 時が流れるのを心を無にして待っている、ひどいときは心拍が早くなる、口が震える
一方、私の日向子は
A 祖母:強気でへこたれない、チャレンジ精神がある、困っている人は助ける
B 「私は挑戦できる」「私は困難にも立ち向かえる」「私はできる」
影子の逆→「私は期待に応えなくてもいい」「私は逆らってもいい」「私は祖母にネガティブな感情を感じてもよい」
ポジティブになれる価値観→自分の意見を言う勇気、フェア、友情
C 胸が熱くなる、頭がすっきりする
という具合かと思います。
②対処法が詳細で具体的
そして①のステップが終わると、当然その対処法が詳細に書いてあります。(要は、影子が出てきていると感じた時には、日向子を思い出したり、大人の自分が理性的に判断行動するということかとは思いますが…)
これによって、悩みが無くなり、人間関係も円滑になるということです。
私は育休中なので、すぐに仕事に適用することができないのですが、
このワークをすることによって、旦那との関係に少し変化があったかなと思いました。
一つは、私は「完璧でなければならない」みたいな影子の信念を持っているため、それを旦那にもあてはめ、ちょっと冷たくされたり、私が旦那の大事なことを忘れたりすると、
「大事にしあえないなら結婚している意味がないから別れた方がいいんじゃないか泣」
みたいに考えることがあるのですが(今冷静に書いていると、なんだか大袈裟だなぁ、と思いますよ(笑))、このワークをしてからは、旦那に「ん?」と思うことがあっても、また影子の完璧主義が出てるなと自覚することで、「完璧じゃなくてもいいんだ」と考えなおすことで、「何を気にしてたんだったっけ?」と楽になることができるようになりました。関係があるのかわかりませんが、そうすることで夫も以前より色んなことを気楽に話してくれるようになった気がします。(最近産後クライシス状態になることがあったので…)
また、「ネガティブな感情を感じてはいけない、出してはいけない」という信念ものあり、うちは義母との関係が決して良くないのですが、誰の前でも「義母嫌い」とはなかなか言えずにいました。そうしたところ、ちょうど夫に「優等生ぶらないで言いたいこといった方がいい」と言われて、そうした「嫌い、苦手」みたいな感情も言うようになりました。ちなみに夫としては、むしろその方がいいらしいです。
そういえば以前、同じことを、昔の会社の先輩に言われました。
「昔の方が面白かったよね。今は無難なことしかいわない、丸くなっちゃって」
みたいな。そのときは聞き流してましたが、大人になるにつれて、逆に影子が力を伸ばしてきたのかもしれません。(だって年をとるといろいろあるじゃないですか泣、身の程を知るというか…)
ともあれ、少数の人とよい人間関係を築くには思ったことは言ったほうが良いんでしょうね。
まだまだ理解しきれてないところもあるかと思い、メルカリで売らずに(笑)、折に触れて読み返したい本です。
興味をもたれた方は是非手に取ってみて下さい。きっと気づきがあると思います。